OSLグループ CEO Kevin Cuiが語る、コンプライアンスの意義とグループの未来
今年12月、OSLグループは規制に準拠した事業運営を開始してから5周年という重要な節目を迎えます。
5年前、OSLグループが香港の暗号資産プラットフォームとして初めて証券先物委員会(SFC)からライセンスを取得した際、我々は「コンプライアンス(法令順守)」を核心に据え、業界の基準を確立しました。それ以来、我々は幾度もの市場サイクルを乗り越え、デジタル資産が実験的な領域からメインストリームとしてのスポットライトを浴びるまでに成長していく様子を目の当たりにしてきました。
5年が経った今、OSLグループは従来の「暗号資産取引所」という枠組みを大きく超え、「アジアをリードするステーブルコイン取引および決済プラットフォーム」へと進化を遂げました。これは単なるブランドの再定義ではなく、当グループの戦略的な進化と、業界が必然性を持って向かっている方向を真に反映したものです。我々の見据えている先は、画面上のティッカーや取引チャートのその先です。決済の未来に向けた基盤を築き、世界的な資金移動のチャネルを広げ、実体経済の成長を後押しすることを目指しています。
コンプライアンスに準拠した「オン/オフ・ランプ」の架け橋として
世界がデジタル化を受け入れる中で、法定通貨と暗号資産の間には依然として壁が存在し、資本の自由な流れを阻害しています。Eコマース(EC)プラットフォームにおける決済から国際貿易における大規模な支払いまで、この現象はあらゆる場で散見されます。OSLグループはこの業界の課題(ペインポイント)を深く認識しており、新たな戦略ロードマップにおいては、最もスムーズかつコンプライアンスに準拠したオン/オフ・ランプ(法定通貨と暗号資産の交換)サービスを提供し、企業・金融機関・そして個人のお客様に選ばれる効率的な「架け橋」となるべく投資と構築を進めています。越境ECにおける消費者決済のサポートや国際貿易における資金移動の強化などにおいて、シームレスな交換と即時決済をビジネス界の新たな標準にすることを目指してまいります。
2024年に決済分野へと事業範囲を拡大して以来、OSLグループは積極的に体制を構築してきました。有機的な事業拡大と海外企業のM&Aを組み合わせた「コンプライアンス・ファースト」のグローバル戦略を通じて、世界規模でコンプライアンスに準拠した暗号資産取引および決済ネットワークを形成しました。現在は香港、日本、東南アジア、ヨーロッパ、オーストラリア、北米、南米を含む10以上の地域で、50を超えるライセンスを保有または申請中です。
国境を越えた決済における「実需」をエンパワーメントする
当グループのグローバルな事業展開とライセンス網が、この「決済の架け橋」を建設するための基礎であるならば、それを真に機能させ、現実世界とデジタル世界をつなぐ鍵となるのが「ステーブルコイン」です。世界の規制枠組みが成熟するにつれ、決済サイクルの長期化、高コスト、透明性の欠如といったクロスボーダー決済の課題を解決するために、ステーブルコインなどのデジタル資産の活用を模索する企業や機関が増えています。
暗号資産データインフラプラットフォームであるArtemisと、OSLグループを含む複数のステーブルコイン決済企業による共同調査レポート[n1] によると、2023年1月から2025年8月までの間に、ステーブルコイン決済の累積決済額は少なくとも1,360億米ドルに達しました。決済タイプ別では、企業間(B2B)決済の需要が最大の成長エンジンとなっており、総量の3分の2近くを占めています。ステーブルコイン決済全体の年間成長率は、従来の決済の10倍にも達しています。
デジタル経済の「道を切り拓く存在(ロードビルダー)」になる
OSLグループにとって、ステーブルコイン決済への注力は事業開発における自然な選択です。規制下で事業を行ってきた5年間で、OSLプラットフォームにおけるステーブルコインの取引需要は着実に増加しました。今年を例にとると、2025年初め以降、OSLグループの各プラットフォームにおける全取引量の約70%をステーブルコイン取引が占めています。決済チャネルと戦略的パートナーシップを拡大する中で、ステーブルコインはOSLグループの将来の取引および決済エコシステムにおいてさらに重要な役割を果たし、顧客のニーズを満たし、実体経済に貢献していくと確信しています。
「取引所の運営」から「法定通貨と暗号資産をつなぐインフラの構築」への移行は、我々がより長期的な投資と、より堅実な歩みを選択したことを意味します。我々は今後も「Open(オープン)、Secure(安全)、Licensed(認可されている)」というコアバリューを守り続け、さらに重要な目標、すなわちコンプライアンスに準拠したデジタル資産決済事業を戦略的に拡大し、現実世界とデジタル金融の間の「道を切り拓く存在(ロードビルダー)」となるために、たゆまぬ努力を続けてまいります。
5年前、香港初のコンプライアンスに準拠した上場暗号資産取引所として、我々は規制整備を推進するパイオニアでした。5年が経過した今、我々はアジアをリードするステーブルコイン取引および決済プラットフォームとなり、未来のデジタル経済の建設者となることを決意しています。
過去5年間の皆様の信頼、ご支援、そしてお付き合いに心より感謝申し上げます。次の5年も、より豊かで開かれた、実体経済によって駆動されるデジタル金融の新たな時代へと、共に歩んでいきましょう。
Kevin Cui / 崔崧
OSLグループ CEO